ひと昔前、ちょうど「太陽にほえろ」っていうドラマがやっていた時代。
子供の将来の夢の多くは、「警察官」だった。
理由は悪を倒す正義の味方、つまりHEROだったから。
しかし今の世の中はどうだ?
HEROだった警察官がピストルで、善良な市民を撃っちまう。
これじゃ誰がHEROで、誰が悪役かわからない。
絶対的価値など存在しない。
その世の中で最近、大手を振って「HERO」と名乗る奴がいる。
そうご存知のとおり、検察官の久利生公平、木村拓哉である。
キムタクが演じている「HERO」像はこうだ。
「被害者のために真実を明らかにする、そのためには絶対に手を抜かない。」
周りに反対されたって、殴られたって、加害者が誰だって、筋を貫き通す。
それが今の「HERO」。
昔のHEROと違うのは、みんなから嫌われるところだ。
昔のHEROは絶対に誰からも非難されない。
絶対的に正義だから。
バンバン犯人を捕まえて、みんなから拍手される。
それに比べて、今の「HERO」は徹底的に客観的で公平。
いや、客観的な(久利生)公平。
事件に大小もないし、えこひいきもしない。
それが時代が作り上げたHERO像。