2008年5月31日土曜日

MY FAMILY


大人の階段のぼる



小学生の高学年になったら、儀式がある。
それは白ブリーフからトランクスへ変わることだ。





でも僕はその儀式を、お母さんに言い出せなかった。「マセガキ」にみられるのが嫌だったから。


そうやって躊躇っているうちに、とうとう中学2年生まできてしまった。
ある日、更衣室で体操着に着替えていたら、
周りの99%がトランクス、1%白ブリーフということに気づいた。


「これはさすがにまずい…」


四面楚歌の状況を打破しようと、
家に帰ってから、すぐにお母さんに切り出した。


「白ブリーフはもう嫌だ。」


お母さんは、「そうか、わかった。」と言って、
次の日に新しいパンツを買ってくれることを約束した。


そして次の日、私は風呂からあがって、
わくわくしながら、下着入れを見た。


するとそこにあったのは、


「カラーブリーフ」だった。

しかもエメラルドグリーン。。。


次の日、更衣室で体操着に着替えていると、
案の定、周りの99%がトランクス、1%カラーブリーフだった。


僕は他の男子とは違って、白ブリーフからトランクスではなく
ワンクッション、カラーブリーフを経てのトランクスデビューになった。





人生、遠回りも悪くない。