本棚は、「DNA」のようなものだ。
「DNA」は長いひも状の物質である。
ひもの中には、ヌクレオチドが並んでいる。
その順序こそがその人の生命の設計図であり、
誰一人とて同じ「DNA」の配列を持つ人間はいない。
(一卵性双生児を除く)
本棚も同様である。
私は友達の家にお邪魔したときは、まず「本棚」を見る。
本を見れば、どういった志向の人間かわかる。
しかし本だけを見ていても、その人は見えてこない。
もう少し広い視点で、本の順序に着目する。
本と本と連関を見ていく。
開口健の『裸の王様』の隣に斉藤美奈子の『文章読本さん江』があったりして。
そうするとその人の全体像が浮かび上がってくる。
本棚は自分なりの順列を見つけなければならない。
服を脱がされることより、恥ずかしいぞ。