映画「かもめ食堂」は、日本の観光客にこそ食べてもらうべきだ。
あそこに描かれている舞台は、日本人が創り上げた「ヘルシンキ」である。
決して、フィンランドにあるヘルシンキではない。
「ヘルシンキ」では、時間がゆったり流れていて、日々の些細なことが、新鮮に見えてくる。
そんな「ヘルシンキ」で、北欧家具を並べて、おにぎりを売っているサチエ。
おにぎりは日本のソウルフードだから。
これ現地の人が観たらどうなるのか。
なかなか想像できないと思うのから、アメリカで「かもめ食堂」がリメイクされたとする。
その名も「カモメナルド」
舞台は、アメリカ人が創り上げた「キョウト」
決して、茶色のマクドナルドや、紺のローソンがある京都ではない。
「キョウト」では、時間がゆったり流れていて、日々の些細なことが、新鮮に見えてくる。
そんな「キョウト」で、畳やふすまを並べて、ハンバーガーを売っているマイク。
ハンバーガーは、アメリカのソウルフードだから。
これ日本人が観たら、どうなるのか。
絶対おかしいでしょう!!
つまりこの映画は、日本人の勝手なまなざしで創り上げた「imajined 北欧」でしかない。
フィンランド人は失笑だ。
しかし日本人観光客には、バカウケするだろう。
心もとない外国で、和食を食べて安心する。
しかも自分が想像していたイメージを消費することができる。
だから片桐はいりが劇中で言ってたことは正しいと思う。
私はそんな歪みを感じながら、「かもめ食堂」でお腹がいっぱいになってしまった。
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