2007年8月26日日曜日

「かもめ食堂」と「カモメナルド」

映画「かもめ食堂」は、日本の観光客にこそ食べてもらうべきだ。

あそこに描かれている舞台は、日本人が創り上げた「ヘルシンキ」である。

決して、フィンランドにあるヘルシンキではない。

「ヘルシンキ」では、時間がゆったり流れていて、日々の些細なことが、新鮮に見えてくる。

そんな「ヘルシンキ」で、北欧家具を並べて、おにぎりを売っているサチエ。

おにぎりは日本のソウルフードだから。

これ現地の人が観たらどうなるのか。

なかなか想像できないと思うのから、アメリカで「かもめ食堂」がリメイクされたとする。

その名も「カモメナルド」

舞台は、アメリカ人が創り上げた「キョウト」

決して、茶色のマクドナルドや、紺のローソンがある京都ではない。

「キョウト」では、時間がゆったり流れていて、日々の些細なことが、新鮮に見えてくる。

そんな「キョウト」で、畳やふすまを並べて、ハンバーガーを売っているマイク。

ハンバーガーは、アメリカのソウルフードだから。

これ日本人が観たら、どうなるのか。

絶対おかしいでしょう!!

つまりこの映画は、日本人の勝手なまなざしで創り上げた「imajined 北欧」でしかない。

フィンランド人は失笑だ。

しかし日本人観光客には、バカウケするだろう。

心もとない外国で、和食を食べて安心する。

しかも自分が想像していたイメージを消費することができる。

だから片桐はいりが劇中で言ってたことは正しいと思う。

私はそんな歪みを感じながら、「かもめ食堂」でお腹がいっぱいになってしまった。

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