2008年3月21日金曜日

ものの見方のレパートリーを増やすことすべてが「勉強」

特集勉強法のすすめ
勉強とは何も講義やゼミに限ったものではありません。視野を広げ、ものの見方のレパートリーを増やすことすべてが「勉強」と言えるでしょう。その意味での勉強をちょっとおもしろくするコツのようなものを一つご紹介します。それは、月単位で自分なりの「特集」を組む、という方法です。
 特集のテーマは何でもかまいません。子ども向けのSFマンガを60冊読むとか、70年代のハリウッド映画を30本観るとか、そういう目標を毎月決めます。このとき、テーマはできるだけ絞り込み、かつ、そのテーマに関するものは自分の好き嫌いに関わらずとりあえず体験してみること、そして、数をこなすことが大切です。すると、それらの織りなす「世界」がおぼろげに見えてきます。例えば、古典落語を集中的に50本も聞けば、江戸庶民の世界が知識としてではなく肌で感じられてくることでしょう。新聞の一面だけでも各紙30日間分読み比べていけば、メディアが私たちに伝える世界がメディアごとに違っていることを体で感じることができるでしょう。そのとき、おおげさな言い方をすれば、あなたは一つの新しい「世界観」を身につけているのです。
 別に、お金のかかる特集テーマを組む必要もありません。大学のキャンパスを渡り歩いてマンホールの写真を撮り集めてまわるとか、阪急百貨店と
阪神百貨店に入った人のあとをこっそり尾行して行動パターンがどう違うかを観察する、なんてことでもいいのです。そんなのあほらしい、と思う人もいるでしょうが、実はこういうことを研究する「考現学」という学問もあるくらいなのです(詳しくは今和次郎著『考現学入門』ちくま文庫を読んでみてください)。
 いずれにせよ、この手の「勉強」は時間的・精神的な余裕がないと難しいもので、会社に入って仕事に追われるようになったりするとなかなかできません。その点でも、大学生である今のうちにみなさんにオススメしておきたい勉強方法です。
(辻大介,思考錯誤blog,から抜粋)

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